子ども食堂はみんなの居場所、気軽に利用を
群馬・前橋、安中両市でイベント
子ども食堂はみんなの居場所―。子どもたちに食事を提供する子ども食堂を巡り、「貧困家庭しか利用できない」「使うと特別視される」といった誤解を解消し、子どもの居場所として活用されている姿を知ってもらうイベントが27日、群馬県の前橋、安中両市で開かれた。一般向けの試食やワークショップが行われたほか、誰もが使いやすい運営の在り方について関係者が意見を交わした。
安中市の松井田文化会館で開かれた「子ども食堂フェスタin安中」(同実行委員会主催)には、子ども食堂関係者や市民ら約20人が参加。同市子ども食堂連絡協議会代表の宇佐見義尚さんが司会を務め、「子どもの居場所が地域の未来を作る」をテーマに意見交換した。
宇佐見さんによると、子ども食堂は全国に約9300カ所あり、一種の社会インフラになりつつある。一方で、貧しい子どもたちが利用するといった偏見が残っているという。
関西大社会学部教授の安田雪さん、同市議の佐藤貴雄さん、元東横野幼稚園長の中津瀬隆さん、教育実践評論家の大久保俊輝さんらが自身の研究などを解説。宇佐見さんは「子どもたちが生き生きと生活できる居場所を作るのは大人の責任だ」と問題提起した。
前橋市の市総合福祉会館では「こども食堂フェスタまえばし」が開かれ、多くの子どもと保護者が試食やワークショップなどを楽しんだ。
試食会場では子どもたちが前橋名物「tonton汁」や弁当をおいしそうに食べていた。他に子ども服の無償譲渡、フォトフレームづくりなどのワークショップブースが並んだ。沼田市出身で元NHKうたのおねえさん、つのだりょうこさんによるコンサートも開かれ、子どもたちは一緒に歌ったり、体を動かしたりして楽しんでいた。
群馬ヤクルト販売(前橋市)やケービックス(同)などがつくる実行委員会が主催し、子ども食堂への関心を高めてもらうため初めて開いた。市内で子ども食堂を運営する5団体が参加。約80の企業が協賛・物品提供で協力した。
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